スポーツ=「観るものではない」という風潮
何事でもそうですが、自分より上手い人が実際にやっているのを「観る」ことは非常に大事です。
それはもちろん色々なスポーツについても当てはまります。
しかし、残念なことに日本のスポーツ界では何故か
スポーツ=「プレイするもの」であって「観るもの」ではない
(所謂やらせっ放し)
という風潮があります。
サッカーも例外ではありません。
「俺、サッカーやってるけどJリーグなんか見いひん。
レベル低いし。」
何と嘆かわしい誤解でしょうか…。
このセリフを聞く度に「だから日本のサッカーは発展せえへんねん。」といつも一人心の中で思ってしまいます。
良質なものを観る意味
良質なものを注意深く観ることを繰り返すと、その人自体の観る目や思考がレベルアップします。
例として私の妻の話をさせていただきます。
私の妻は元々文科系、インドアの人でサッカーどころかスポーツをやるのも観るのも全く興味がない人でしたが、結婚前から私に合わせてサッカーを一緒に観るようになりました。
また、結婚して子供がサッカーを始めてからは、妻は私が子供に教えているのを横でずっと観たり聞いたりしていました。
そのように数年一緒にサッカーを観る環境で過ごした結果、サッカーを全くやったことがない妻でしたが、自然と良いプレーや悪いプレーが分かるようになり、最近では私のコーチの補足説明をしてくれたり、「今日の審判は笛吹くタイミングが悪いわ。」など審判の判定にまで意見するくらいにまでサッカーを観る目がレベルアップしました。
Jリーグは日本サッカーの最適解
言うまでもなくJリーグは日本サッカーのトップレベルであり、それは今の日本の子供たちが目指すべき姿、言わば求めている最適解です。
2020シーズンをブッチギリでリーグ優勝した川崎フロンターレのサッカーは、海外組の選手を寄せ集めただけの日本代表よりずっと良いサッカーをしていました。
子供たちを取り巻く環境の問題
日本では平日は放課後に練習、土日祝も終日練習や試合でまずプロの試合をじっくり観る時間がそもそも不足しています。
私はJリーグサポーターで新型コロナウイルスが流行る前はほとんどのホームゲームを家族と一緒にスタジアムで観戦していたのですが、大阪ダービー(ガンバ大阪vsセレッソ大阪の試合)が開催される日時に重ねて息子のサッカーの公式戦がいつも開催させていました。
私からすれば、全く意味が分かりません。
日本のトップレベル、かつ日本一熱い試合を生で観るチャンスを放棄しているのです。
プロ選手のサッカーを間近で観察できるという意味も当然ありますが、あの熱狂的なスタジアムの雰囲気を味わうだけでも子供たちにとっては十分価値があります。
「自分もあの中でプレイしたい!」と間違いなく子供のやる気もアップします。
なのにそのチャンスを私たち大人が奪い去ってしまっているのです。
ヨーロッパでは週末は1.5時間ほど練習や試合をしたあと、家族でスタジアムやTVでサッカーの試合を観るそうです
日本とは異なり、短時間で良質な練習をしたあと、家族団らんで良質なサッカーを観るという文化がしっかりと生活に根付いているのです。
ここにも日本と海外のサッカーの差を感じざるを得ません。
大人の役割
この問題は子供だけでは解決できません。
Jリーグの試合開催日や開催時間は練習や試合をしない、チームでJリーグの試合を観に行くなど、私たち大人が良質なサッカーを観る意味をもっと理解し、積極的に子供たちに良質なサッカーを観せるように心がけるべきではないでしょうか。
では、また。
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