量<質への変化
近年、日本のスポーツ界も昔に比べるとだいぶ量より質に重きを置くようになりました。
私が若い頃は
「水を飲む奴は弱い奴」
「冬、寒いのは気合が足らんからや」
「声を出せば寒いのも痛いのも平気やろ」
とか、全く科学的根拠のない精神論で普通に大人にシゴかれていました。
時には殴られて、その暴力に対してに
「ご指導ありがとうございました!」
とかご丁寧にお礼まで強制させられていました。
今、冷静に考えると全く恐ろしい時代でした…。
ちょっと脱線してしまいましたね。
日本のスポーツ界が量<質に変化してきたことは事実ですが、特にサッカーについてはやはりまだまだ「サッカー=プレーするもの」という意識が強いせいか、練習ばかりで暇があればボールを蹴らせて振り返って頭の中をブラッシュアップすることが不足しているように感じます。
練習、練習、練習、試合、オフ、練習、練習、…(繰り返し)
果たしてこれでいいのでしょうか?
振り返りなしの危険性
例えば勉強に置き換えると分かりやすいと思います。
算数のテストで良い点を取ろうとします。
ドリル、応用問題、模擬テストの繰り返しで学力は向上するでしょうか?
普通は向上しません。
地頭が良い子供はひょっとすると向上するかも知れませんが、正しく勉強をしている子供に比べるとおそらく向上するスピードは遅いと思います。
努力の割りに向上するかどうかは分からないですし、向上してもそのスピードは遅い…。
非常に非効率です。
それどころか、下手をすると間違った癖をつけてしまう危険性すら孕んでいます。
これは大問題ではないでしょうか?
振り返りの重要性
上の算数の例えで、一体何が足りないでしょうか?
もうお分かりだと思います。
答え合わせ(振り返り)です。
-
- ドリルで練習量をこなし、基礎学力を養い、答え合わせ
- 基礎学力を使い、応用問題に取り組み、答え合わせ
- 模擬テストにチャレンジして、答え合わせ
そのレベル毎に答え合わせをして、解けない問題は解けるように、解ける問題は更に早く解けるように常にブラッシュアップすることが非常に重要です。
テストの時点での答え合わせだけでは不十分です。
早く正確に目的地に着くためには、間違った道を進まないようにできるだけ早い段階(基礎)から細目に地図を確認しなければなりません。
サッカーも全く同じです。
やりっ放しでは、自分が間違ったことをしているのか正しいことをしているのかが全く分かりません。
また、間違ったことをいくら努力しても正解にはなりません。
しっかり振り返り(答え合わせ)をして、最短ルートで正解に向かって進みましょう。
サッカーでの振り返り方法
では、具体的に振り返りはどのようにすればいいでしょうか?
月に1,2回自分たちの試合のビデオを
「あのプレーは良かったね。」
「今のプレーは良かった?悪かった?」
「悪かったら、じゃあどうすれば良かった?」
とかみんなでワイワイ言いながら観るのはどうでしょうか?
子供は長い時間座ってサッカーを観るのは難しいと思いますが、みんなで喋りながら自分たちの試合なら1試合くらいは観てくれると思います。
また、振り返りとは少し違うかも知れませんが、その週に開催されたプロサッカーのゴールシーンを観るというのもオススメです。
今はDAZNで『ALL GOALS』というゴールシーンのハイライトムービーが配信されています。
ゴールには必ず理由があります。
何も考えずにプレーしていたらゴールが入った…なんてことは普通は起こりません。
私はいつも自分の子供にこの『ALL GOALS』を観ながら、攻撃側ではゴールが決められた理由を、守備側ではゴールを許してしまった理由を考えるように教えています。
まとめ
練習を止めて振り返ろう、というのは正しいトレーニングをするために
まずは頭の中をブラッシュアップ、整理しよう
ということです。
何も考えずに練習していても、それは効率の悪い体力トレーニングにしかならず、非常に勿体ない。
時間、特にゴールデンエイジのジュニア~ユース時代の時間は非常に貴重でしかも有限です。
無駄な練習は止めて、まずは頭の中を整理しましょう。
では、また。
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