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守備=闇雲にチェイスすること?

サッカー解説

私は試合でコーチが子供たちに気力と体力の続く限りボールホルダーをチェイスさせている光景をよく目にします。
そしてその度に「この子たち、ハズレのコーチに当たってかわいそうやな…。」と残念な気持ちになります。では図で説明しましょう。

青色チームがDFラインとGKでボールを回しています。
黄色チームのコーチが⑧番の選手に言います。

「ボサッとすんな!早よボール獲りに行け!」

1:4なので当然ボールなんて獲れる筈はありません。無駄に走らさせられて疲れるのがオチです。
黄色チームのコーチが更に⑧番の選手に言います。

「負けるな!お前の気持ちはその程度か!」

プロのサッカー選手はそんな守備をしているでしょうか?
この圧倒的数的不利の状況で本当に気持ちでボールが獲れるのでしょうか?

もちろん答えはNOです。

サッカーでは守備こそチームプレーが最重要です。
個人の能力が優れていても、連携に穴があれば破られてしまいます。
まず上の図のような場合は、⑧番は基本的に縦のコースを消しながらスルスルっとボールホルダーに寄せます。

寄せるだけでOKです。
というか、いきなりボールに突っ込まないというのがポイントです。
この場面で一番やられたくない攻撃とは何でしょうか?
ボールホルダーに縦に突破されることですよね。
勢いよくボールに突っ込む=ドリブルでかわされて縦に突破させるというリスクがありますので、いきなり突っ込むのは止めてまずは縦のコースを消すことを徹底しましょう。
そして⑧番がボールホルダーに寄せに行く間、他の選手もそれぞれのマークに付きましょう。
ここでもべったりマークに付くのではなく、自分の裏を獲られない、かつパスがきたらすぐに当たれるくらいの距離感でマークに付くのがポイントです。
縦へのコースも消す、周りのマークも付く、要はボールホルダーがバックパスしかできない状態をチームとして作り、それから本格的にボールホルダーをチェイスを開始します。

一人で闇雲にボールに突っ込んでいくのではなく、一人一人が相手のプレー選択肢を消していった末にチームとしてボールを刈り取るというのがサッカーの守備の基本の考え方です。
これは私の個人的な見解なのですが、日本のジュニアサッカーのコーチは選手個人に何でも求めすぎている上に失敗したら気持ちのせいにし過ぎているように感じられます。
やらないといけないこと、出来ることをもっと明確に絞って子供たちがもっと納得してプレーできるような指導をしてほしいと願っています。

では、また。

 

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