さて、前回までにサッカーではチーム内でポジションや役割、決まり事を守ってプレーすることが大事だと説明してきました。
今回はその次のステップについて説明します。
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確かにポジションや役割を決めて、決まり事を守ってプレーするだけで、ぱっと見てそれまでの球蹴り遊びや団子サッカーからサッカーという立派なスポーツに大きく進歩します。
しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、『ポジション・役割・決まり事を守る』というのはあくまで単なる手段であって、決して目的ではないということです。
日本人は子供も大人も基本的に勤勉で真面目です。
『ポジション・役割・決まり事を守れ』と指示されたらそれを必死に全うしようと努力します。
(指示を守らなければ怒られる、という残念な理由もあるかも知れませんが…。)
つまりその勤勉さ、真面目さ故に手段が目的へとすり替わってしまうのです。
ここでもう一度振り返って下さい。
サッカーという競技をしている目的は何ですか?
ポジションを維持することですか?
役割を果たすことですか?
決まり事を守ることですか?
違いますよね。
目的はあくまで『相手に勝つこと』です。
『相手に勝つ』という目的を果たすためならば、ポジションや役割、決まり事という普段大事にしている手段を捨てても全然問題ありません。
というか、強いチームはピンチとチャンスには「そんなことはどうでもいい!」と見ていて感じられる熱いプレーをします。
例えば下の図のように青チームが右サイドから攻められています。
その時、左サイドバックの②番は絞って(スライドして)中央のスペースをカバーします。
その後、下の図のように守備でボールを奪えたとします。
このような時、自分のポジションを離れるのを恐れてか、前に大きくクリアしたり、①GKにバックパスしたりするケースをよく目にします。
絶好のカウンター攻撃のチャンスなのに、非常に勿体ない…。
①GK以外に後ろに味方が4人もいて、右サイドがガラ空きです。
下の図のようにドリブルで一気に駆け上がりましょう!
考えなければならないのは、このシーンでの青チームの目的は何でしょうか、ということです。
『速く、正確にカウンター攻撃をしかけること』ですよね。
そのために左サイドバックの選手が自分のポジションを捨てて、右サイドをドリブルで素早く駆け上がる。
この場合は、ポジション(手段)なんてどうでもいいのです。
ポジションを維持するためにチャンスを逸する、ピンチで役割を優先させて失点してしまう、なんて本末転倒もいいところです。
子供たちにある程度ポジションや役割、決まり事を守ってプレーさせる、手堅いサッカーをさせるところまでは比較的に容易にもっていけると思いますが、そこから一歩二歩先の勝てるチームにするにはそれを捨てなけばなりません。
『この練習の目的は何?』
『今のプレー、ホンマの試合でも使える?』
など、普段の練習から私たち大人が子供たちの目的意識を育むような声かけをしてあげましょう。
では、また。
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